読みましたよ『戦後支配の正体1945-2020』宮崎正弘・渡辺惣樹(ビジネス社)。お二人の対談本です。きゃー、私の好きな宮崎さんと渡辺さんやんかー、どんな話をしはるんやろ、と楽しみにしてたんで、先週発売されてすぐに読みましたよ。実はこの本、前にもお二人で出しはった『激動の日本近現代史 1852-1941 歴史修正主義の逆襲』の続編みたいなもんで、私は読んだ後、このブログでも書かせて貰うてましたね。
今回もお二人のお話が炸裂!ですが、実は面白いのは、必ずしもお二人が全ての論点で意見が一致してるわけやない、ということですね。せやからこそ読者は、読んだ後に今度は自分でも考えなあかんわけで、まあそのためのヒントがこの中にはいっぱいあるという、ホンマに有難い本ですわ(笑)。
もちろん、最初に両者が一致してる部分があって、それは「歴史修正主義」の何があかんねんや、というところですね。日本でも今や「自虐史観」の語はかなり広まって来てると思いますが、つまりは今までの解釈はおかしいんとちゃうか?ということが、アメリカでもあるんやというのは、私は渡辺惣樹さんの本を読むようになってから知りました。どこの国でも歴史学会というのは、アタマが固いんですね。
私が初めて読んだ渡辺惣樹さんの本は、『TPP 知財戦争の始まり』(草思社)やったんです。ちょうど私が「覚醒」し始めたころで、日本はTPPなんか結んだらあかん、とめっちゃいきり立っていた頃です(笑)。その本で渡辺さんが強調してはったのは、アメリカがTPPを結ぶ重要な目的の一つは、知的財産の保護なんやということでした。
そしてその本の中で、アメリカはもう10年?以上も知財保護に関する研究、検討を続けていて、外国への知財の流出に関しては、アメリカは言うたことは必ずやる、将来的に知財の流出を許すことは絶対にない、ということでした。えー、せやからTPPは結ばなあかんのか、と、当時はがっかり(笑)したことを覚えています。
ところがトランプさんはこのTPPからさっさと脱退しはったわけですね。もちろん、この本の中でもTPPのことについては宮崎さんも渡辺さんも話してくれてはります。面白いでー。皆さんもこの本、買うて読んでください(笑)。
そしてこういう対談本の醍醐味なんかも知れませんが、個人的な話が出て来るのも面白いです。それぞれほんの一部ですがコピペさしてもらいますね。
渡辺:歴史を教科書からだけではなく自分の頭で考えるとじつに楽しくなります。渡辺の先祖はご存知のとおり源頼光(みなもとのよりみつ)の四天王の一人渡辺綱(わたなべのつな)。私に河勝と綱のDNAがかすかながらでも流れている可能性があると思うだけで嬉しくなります。歴史研究のエネルギーが湧いてきます。
渡辺さんは伊豆半島の下田の出身で、たぶん最初に書きはった本が『日本開国 アメリカがペリー艦隊を派遣した本当の理由』(草思社)です。もう調べること、研究すること自体が「自分ごと」みたいな感覚ですね。
そして宮崎さん。何と、トランプさんが40才ぐらいの時に、本人に会うてはるんやそうです。ビックリやな。もう先見の明どころやあらへんで。
宮崎:40歳ぐらいのときですかね。これは余談ですが、じつは私とトランプは1946年生まれで同い年なんです、そしてブッシュ・ジュニアも1946年生まれで、ビル・クリントンもそう。ヒラリーが1947年生まれ。ああ、これは本書の冒頭に使ったほうがよかったかもしれない。つまり「戦後史が始まったときに奇しくも三人の大統領が同じ年に生まれた」と(笑い)。
今この戦後史が、大きく「修正」されようとしてるわけですね。この本では本題の話の他にも、縄文の話やら貨幣の話やら日本語の話やらが飛びまくって出て来ます。もう面白すぎる!ですね。 そして私にとっては、勉強せなあかんことがまたいっぱい増えたわ(笑)。
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