読みましたよ、宮崎正弘さんの『チャイナチ 崩れゆく独裁国家 中国』。宮崎さんの本には自分で撮りはった写真がいっぱい載っていますね。日本の大新聞社の記者やテレビ局の特派員やらの記事とはもう、レベルが違いますね。写真一枚にしても、視点が違うと、撮るべき写真の質もまったく違うてきます。
プロローグは「香港大乱、世界を動かす」です。
集会に登場したポスターや小旗には「CHINAZI(チャイナチ」と描かれている。五星紅旗にナチスのハーケンクロイツ(鉤十字)がデフォルメされた旗も登場した。中国共産党はナチスだと訴えているのだ。
この香港大乱は、後世には間違いなく、世界史の分岐点やったと言われることになるんとちゃうかと思います。
ともかく香港大乱は世界的な影響をもった。
特筆しておくべきは、世界各地に「独立運動」を再燃させたことだ。スコットランドで、カタロニアで、そして台湾で「独立運動」が再び燃えひろがったことは、同時に「グローバリズム」の全盛時代が「終わりの始まり」を告げていることを意味するのではないか。
とはいえ、香港経済が「中国」返還後、とんでもなくいびつになっていたことは確かなようです。四大不動産王が、香港のGDPの5割近くを占めているんやそうです。その筆頭である長江集団を率いる李嘉誠は、江沢民派の代表みたいなもんですから、もう5年ほど前に、中国大陸の物件はあらかた売却しているし、香港にも興味はなく、プロジェクトの大半をイギリスとヨーロッパに移管しているんやそうです。「この現実は、習近平派が香港利権を狙い、李ら旧江沢民派の排斥を始めたことを意味する」。
宮崎さんは、元ウクライナ大使の馬渕睦夫さんの本『2020年世界の真実』から引用してはります。「東西冷戦時代にソ連が世界の共産主義化(社会主義化)を目指したことと、今ディープ・ステートが世界のグローバル市場化を目指していることは、言葉が違うだけで、本質は同じイデオロギーに基づいています」と。そしてこの「ディープ・ステート」なる言葉がついに最近、トランプ大統領の口からも発せられたことに注目してはります。
馬渕さんはこのディープ・ステートを「マネーの力で国境なきグローバリズム経済を支配する国際金融勢力など」と規定してはるそうです。この勢力にとってはもともとは「中国」は与しやすく、利用しやすかったはずなんですね、ところが、と宮崎さんは書いてはります。
そして、驚くべきことに、ディープ・ステートは中国共産党の打倒に方向転換し、このためトランプ大統領の中国敵視政策はディープ・ステート派を含めてのアメリカの総意に化けた。ディープ・ステートは国家を否定した世界統一を目指すのに対して、中国は中国共産党による世界統一を目指しており、ディープ・ステートがつくろうとするグローバル世界とは真逆な存在だからだ。このポイントが重要である。
今にして思たら、日本人のことが大嫌いなキッシンジャーによって、日本はずっとアメリカに出し抜かれ、つい最近までも日本の富を一方的に「中国」に流し込む構造に追い込まれてたわけですね。これでやっと流れが変わるんやろうか?
宮崎さんの本に戻りますと、もう今の「中国」はどうしようもないですね。鉄の生産にしても、需要なんか関係なしにやたら安く作ってしもて、世界中の鉄鋼業を疲弊させておいて、国内ではとんでもない余剰在庫をずっと抱えてる、と。全体主義システムの欠陥、というわけです。
あげくの果ては、誰も乗らない地下鉄、クルマが通らない橋、人より熊の交通が多いハイウエーや事故が頻発するトンネル、テナントが入らないショッピングモール、そしてムジナとタヌキの棲み家となった高層マンションが集合したゴーストタウンの乱立。
もうため息が出ますね。やっぱりこんな国家は潰さなあかんわ。放っといたら人類が滅んでしまうな。なんぼあくどいディープ・ステートさんたちでも、人類が滅亡してしもたら何の意味もないもんな。元はと言えば、あんたらが育てたんとちゃうんかいな、と言いたいですね。
もう巨大な龍がもんどりうって倒れようとしてるわけですね。とんでもない悪影響を蒙ることにはんるでしょうが、一方では大変なチャンスもあるはずですね。そのチャンスを前にして、日本のアホなマスゴミは、来年度予算は過去最大になってしもた、財政規律はどうなるんやと、とんちんかんな心配をしています。
そしてハラハラさせられるのが、習近平の国賓招待。桜の咲くころには、いろんなことが一気に片付いてるんやろか?心配のタネはまだまだ尽きませんね。
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