教養がないのは恥ずかしいことですが、今から書くのは、それ、教養と違うて常識やで、と言われそうなので、書くのをためらいましたが、恥を忍んで書くことにします(笑)。皆さん、「三方一両損」て言葉、知ってはりましたか?
私は何となく聞いたような気がしていて、「三方良し」みたいな意味なんかな、と思うてました。似てはいるけどちゃうなあ、という話ですね。この話はメールマガジン「軍事情報」(発行:おきらく軍事研究会 代表・エンリケ航海王子)とかいう所から送られて来た、加藤喬(かとう・たかし)さんという人の記事で知りました(メルマガ軍事情報とは?)。
日本の国会向けに行なわれたテレビ演説でゼレンスキー大統領は「今回のような侵攻を予防するための『ツール』づくりに『日本のリーダーシップ』が大きな役割を果たせると思う」と述べました。その通りだと思います。では具体的に、核を持った独裁国家による現状変更を阻(はば)み、核戦争を回避するため日本に何ができるのか?
え?ゼレンスキー大統領がそんなこと言うてはったっけ?と思いましたが、その答えが「三方一両損」とちゃうか、という話でした。
古典落語の『三方一両損』が好例です。金銭に執着しない江戸っ子の金太郎が三両入りの財布を拾い、わざわざ落とし主の吉五郎に届けます。ところが、意地っ張りで短気な吉五郎もちゃきちゃきの江戸っ子。いったん落とした銭に未練はない、と頑として受け取りません。押し問答を繰り返すうち殴り合いの喧嘩になり、とうとう奉行所で裁かれることになります。名奉行の誉れ高い大岡越前は捌(さば)けた江戸っ子気質に好感を持ち、双方の言い分に一理あると認めます。そして自分の一両を足して四両とし、両名に二両ずつ渡します。三両落とした金太郎は二両しか戻って来ず一両損。吉五郎は正直に三両届けたのに二両しかもらえず一両損。大岡越前は自腹を切って一両捻出したので一両損。全員が損をすることで二人を和解させ、大岡も江戸の司法と治安維持の職務を果たすという筋書きです。この「敗者の出ない采配」は、「勝者総取り」の二元論からは決して出てこないものだと感じます。
この考えに基づいて、加藤さんは今回のウクライナ戦争では、ロシア、ウクライナ、アメリカはこうしたらどうか、という提案をしてはります。三者三様に「損をする」ことで、まず戦闘を早期終結させ、長期的には米露核戦争を避ける、という話です。
もちろん、現実にはいろんな条件があって厳しいことは誰もがわかってはいますが、日本人としての考え方やったらこんな解決方法がある、ということは知っておいてもええと思いました。まあ前提としては、日本以外の全世界はほぼ一神教で、黒か白か、マルかバツか、ゼロか百か、しかあらへんわけですから、やっぱり厳しいんでしょうね。
それより今は、実は核の傘なんかとうに無くなってしもたんやという現実を、早う日本人全員が気付くことが大事やと私は思うてます。
なお、加藤さんの記事全文を、コメント欄に貼り付けておきます。
【文中リンク先URL】
https://okigunnji.com/
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コメント
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加藤大尉の軍隊式英会話:兵器編 Takashi Kato
プーチンの誤算(3)──痛恨のオウンゴール
加藤喬(元米陸軍大尉)
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□現代の「三方一両損」も不可能ではない
茫洋としたアリゾナの片田舎に住んでいると「世
はなべてことも無し」と思えます。しかし安全かつ
平穏な生活空間にも、ネットを通じウクライナで日
々繰り返される阿鼻叫喚の図が流れ込んできます。
手も足も出ない歯がゆさと非現実の思い、そしてい
くばくかの罪悪感の入り交ざった、何とも収まりが
悪い気持ちに囚われます。
そんな折、日本の国会向けに行なわれたテレビ演
説でゼレンスキー大統領は「今回のような侵攻を予
防するための『ツール』づくりに『日本のリーダー
シップ』が大きな役割を果たせると思う」と述べま
した。その通りだと思います。では具体的に、核を
持った独裁国家による現状変更を阻(はば)み、核
戦争を回避するため日本に何ができるのか? 以下、
私感を述べます。
以前から触れてきましたが、八百万の神という世
界観を持つ日本人は「絶対善」や「絶対悪」という
二元論に拘泥せず、「複数の真理や正義」を自然に
受け入れます。この非対立の視点を通し、「勝者と
敗者が明確に分かれるゼロサムゲーム」とは異なる
停戦・永続平和への道筋を示すことができましょう。
しかも、国際関係や外交に関する高度で難解な理
論が必要なわけではありません。「敗者の出ない采
配」は日本の伝統芸能に見ることができます。
古典落語の『三方一両損』が好例です。金銭に執
着しない江戸っ子の金太郎が三両入りの財布を拾い、
わざわざ落とし主の吉五郎に届けます。ところが、
意地っ張りで短気な吉五郎もちゃきちゃきの江戸
っ子。いったん落とした銭に未練はない、と頑とし
て受け取りません。押し問答を繰り返すうち殴り合
いの喧嘩になり、とうとう奉行所で裁かれることに
なります。名奉行の誉れ高い大岡越前は捌(さば)
けた江戸っ子気質に好感を持ち、双方の言い分に一
理あると認めます。そして自分の一両を足して四両
とし、両名に二両ずつ渡します。三両落とした金太
郎は二両しか戻って来ず一両損。吉五郎は正直に三
両届けたのに二両しかもらえず一両損。大岡越前は
自腹を切って一両捻出したので一両損。全員が損を
することで二人を和解させ、大岡も江戸の司法と治
安維持の職務を果たすという筋書きです。この「敗
者の出ない采配」は、「勝者総取り」の二元論から
は決して出てこないものだと感じます。
これを現実の状況に当てはめると、
* ロシアは即刻停戦・撤収。クリミア半島をウク
ライナに返却し、同国に戦争賠償金を支払う。
* ウクライナはNATO加盟を永久に断念し、武
装中立国となる。
* アメリカはNATOの東方不拡大を公式に宣言
する。
というところでしょう。三者三様に「損をする」
ことで、まず戦闘を早期終結させ、長期的には米露
核戦争を避ける訳です。
読者の方々は「このやり方では、核放棄と引き換
えにウクライナの安全を米英露が保障した1994
年の『ブダペスト覚書』の轍を踏む。ロシアは再び
約束を反故にする」と危ぶむことでしょう。確かに
プーチン大統領は同覚書を無視し2014年クリミ
アを併合。さらに今回の全土侵攻に及びました。な
ぜか?
1990年の東西ドイツ統一にあたり、旧ソ連と
米国の間には「NATO不拡大」の暗黙の了解があ
ったとされています。ソ連崩壊後、ロシアがブダペ
スト覚書に署名する下地になったのは、領土保全の
安心感だったのです。ところがNATOは1999
年のハンガリー、ポーランド、チェコに続き、20
04年にはルーマニア、ブルガリア、スロバキア、
スロベニア、エストニア、ラトビア、そしてリトア
ニアを新規加盟国として迎え入れています。
西側への不信を募らせるプーチン氏の目に、かつ
ての盟邦が雪崩を打ってNATOに加盟する様子は
「ロシアの存立を脅かす脅威」と映ったに違いあり
ません。これに続こうとしたウクライナの西側接近
は、プーチン氏にとって「超えてはいけない線」だ
ったわけです。
米主導のNATO拡大が核戦争を誘発しかねない
現状に鑑み、アメリカはドイツ統一当時の「暗黙の
了解」を公に認め、新規加盟国不承認の立場を明確
にすべきでしょう。
一方、ロシアはウクライナ侵攻の非を認め賠償責
任を果たすことで、喉元に突き付けられた「存立の
危機」を取り除くことができます。米露のはざ間で
翻弄されたウクライナは、中立国すなわち緩衝地帯
となることで永続的独立を手に入れられるのです。
逆に、米欧日が「唯一の正義」に固執してロシア
を追い詰めるとどうなるか?引き分けも、敗者の出
ない戦後処理も、永続する平和も望めません。第1
次世界大戦でドイツに科された懲罰的戦後処理が、
わずか21年後、ヒトラーのポーランド侵攻につな
がった史実を顧みると、プーチン氏をしのぐ独裁者
出現を煽る可能性すらあります。
「全部かゼロか」の西洋文明とは異なる系譜を持
つ日本人は相反する主義主張にも寛容です。この「
懐の深さ」から生まれる「全員が損をして目的を達
する采配」は、ゼロサムゲームに慣れ親しんだ露米
ウクライナの各指導者には当初受け入れがたいもの
でしょう。
しかし、プーチン大統領はかつて「引き分け」を
解した柔道家。ゼレンスキー大統領は人情の機微に
敏感な元喜劇俳優。そしてバイデン氏は「核戦争を
始めた大統領」にだけはなりたくない老練な政治家
です。「聞く力」の岸田総理が三者三様の感受性に
訴えれば、ことによると、現代の「三方一両損」も
不可能ではないかもしれません。
▼プーチンの誤算(3)痛恨のオウンゴール
兵器は人が生存をかけて使う道具。生き延びるた
めには相手より優れた武器を持たねばなりません。
兵器開発競争が文明の黎明から今日まで途切れなく
続いているのはこのためです。よく指摘される武器
の効用に「抑止力」(deterrence)があります。刀を
抜かずとも相手を委縮させ対峙を防ぐ「鞘の内の勝
ち」の如く、敵に攻撃を思いとどまらせる圧倒的な
破壊力のことです。「平和を望むがゆえに兵器を手
放せない」。人類が陥って久しいこのジレンマの裏
面が「抑止力」なのです。
「加藤大尉の軍隊式英会話:兵器編」では、それぞ
れの武器が持つ抑止力に着目。兵器と平和の関係を
考えていくことにします。
「プーチンの誤算」最終回は、いつもと異なり武
器そのものがトピックではありません。強大かつ圧
倒的火力を誇る軍隊をもってしても、時として想定
外の進展は避けられないという実例を指摘します。
大方のメディアは「ロシア許すまじ」で大同団結
しており、伝えられるロシア軍の苦戦がどこまで事
実に即しているのか判断が付きません。今後も膠着
状態が続くのか、あるいはロシア軍がごり押しでキ
エフ陥落させるのか、はたまたドンバス地方の併合
で手を打つのかは、さらに時間が経たないと見えて
こないでしょう。
現段階ではっきりしているのは、まず、ロシアの
全面侵攻によって「冷戦の遺物」として存在意義を
失いつつあったNATOが思いがけないカムバック
を遂げたこと。今ひとつは、高視聴率のため常に「
悪玉」を探し求めているマスコミの目の前で、プー
チン大統領が「諸悪の根源」役を買って出たことで
す。
NATO加盟国はトランプ前大統領の「公平な国
防費負担」要求にも色よい返事を渋りました。とこ
ろがウクライナ戦争が勃発するや、国防予算の大幅
増を我先に発表しています。自由圏に住む我々の目
には、民主主義の雄トランプに代わり独裁者プーチ
ンが要求を飲ませた「落ち」は何とも皮肉に映りま
す。もっともプーチン氏にしてみれば、痛恨のオウ
ンゴール(自業自得の失敗)だったに違いありませ
ん。
米欧日の主流メディアでは「プーチン悪」「ゼレ
ンスキー善」の色分けがほぼ定着しています。プー
チン側の「ウクライナはネオナチに牛耳られており、
ゼレンスキー大統領は操り人形だ」との主張は「
ロシアのプロパガンダ」として一笑に付されている
ようです。「ウクライナの民族主義者とネオナチが
重なり合っている」とする非主流メディアの報道は
事実だと思いますが、プーチン氏の悪玉イメージを
払拭するには至っていません。ハイブリッド戦争の
覇者を自負するプーチン氏が西側マスコミの影響力
を見くびった結果だとすれば、これもオウンゴール
と言えます。
しかしながら、明日のことは神のみぞ知る。プー
チン大統領が粛清され新ロシアが生まれるのか、は
たまた生き延びた皇帝プーチンがさらなる権勢をふ
るうのか・・・いずれにせよ、目下のところ最悪に
備え最良を期待するしかありません。
「三方一両損」の話し良かったです。その「常識」知りませんでした。
しかしながら日本の古くからの、和をもって尊しとなすの具体的な智恵ですかね。
ウクライナ紛争早期停戦和平の件ですが、篠原氏によれば・・・
ウクライナ側もロシア側も前向きだが、邪魔する気満々なのがバイデン政権だと!
勝者総取り狙いはそこじゃないか!と
で、「日本以外の全世界はほぼ一神教で、黒か白か」といっても、キリスト教は一応「無償の愛(アガペー)」を説き「汝の敵を愛せよ(イエス)」も説くわけですから、(いくら理想通りには行かないといえども)さすがに「勝者総取り」思想は無いと思われ・・・たぶん。
で、大統領給与ほぼ無しで、大統領職で資産半分にした敬虔なクリスチャンのトランプさんならともかく・・・
バイデンの(おそらく偽)カトリック信者政権なら無理でしょ、それにパピットだし。政権与党内は左翼多いし、バックには得体の知れない、それこそ「勝者総取り」やる気満々思想の人たちがいそうだし・・・
加藤喬
情弱、あるいはアッチ系の人間だと思います。
メディアが完全に一色になっているのでそれらを根拠にした分析は意味がないかと。
不合理な行動というのは即敗戦につながります。
外国勢力に操られている国は不合理な行動をしてたちまち国力を弱めてしまいます。
故に双方合理的に動いている。
メディアによる情報操作が行われていることを前提に考える必要があると思います。
アメリカがなにをやってきたか?
我々は南京大虐殺も見ているし、イラク戦争時のメディア報道も見ています。
自分の目にアメリカは立派な国に見えていましたが南米とセットで考えると悲惨な現実が見えてくる。
麻薬マフィアによる支配、
人命が世界一軽いと言われる南米、そこでは死刑制度が廃止されている。
リベラリストたちが訴える死刑制度の廃止がギャングの処刑を不可能にしている。
似たようなことが日本の暴対法にも言えます。
暴対法の施行が10年早ければ問題はなかった。
中国マフィアの日本進出と同時に暴対法は施行されている。
アメリカの要求であるのは有名な話。
自分は政治に興味を持ちつつニュースを見ているのですが、
アメリカによる破壊活動はパパブッシュの時代に始まっている。
特徴的なのは中国に対する援助。
英米メディアの特徴ですが中国にやっていることには一切文句を言わない。
ミャンマーの些細な人権弾圧は大騒ぎするんですがカンボジアでの虐殺にはだんまりを決め込みました。
英米にとって中国人とはとても使い勝手の良い民族なんでしょう。
なんでもやる。
普通の人間なら耐え難い実験も中国なら可能。
社会実験、科学実験、医療実験、人体実験、
臓器移植は中国によって大きな進歩を遂げている。
DSとはとても恐ろしい倫理観を持った人たちです。
そしてすべての罪を日本に押し付けてくる。
220405-2
ソロです。
>>三方一両損
この話は、小学生の道徳の授業で習った覚えがありますね、オソラク加藤さんは、私と同じ世代か少し上にの方で、幼年~学生時代を日本で過ごし、卒業してから或いは家庭の都合で渡米されて、米国の市民権を取得され軍隊にはいられて、大尉「=ベスト・ルタナン/キャプテン」で退役されて米国に住んでおられる方ではないかと推察致します。
憶測序に、もしウエスト・ポイント「=陸軍士官学校」を卒業されずに、
大尉迄昇進されたのであれば、所謂「叩き上げ」なので、勲章を貰っていますね。
一体、露・ウ戦争を米国人はどぅ見ているのか興味があったので、大変だ興味深かったですね、でも現場を熟しているからか、現在の情報環境で無理な分析はされておられないのは流石です。やっぱり現場の多胎上げの感じがしますね。
そうですね「三方一両損の三方丸く収めた、大岡名裁きに倣えばよいのでしょうが、ゼロサムゲームのオールパナッシングの戦争マニアの白人文明の常識なら、中世と変わらず行き着く処迄行かないと収まらないかもしれませんね。
ゼレンスキーの演説は彼独自の作品ではなく、数人のスタッフの共同作業の成果だと思います、彼は原稿を読んでいないとかいう人がいるが、TVカメラの上には原稿があったりしますねww
でなければ、パールハーバーを演題に中に入れたら、普通の感覚では、日本では演説出来ないですよね。まぁ、台本通りに出来たのはさすがプロの役者だけある。
この戦争の行方のカギは実はインドが握っていて、ラブロフが訪問して纏めようとしているルーブル建ての原油輸出ですが、インドもロスチャイルド迄、敵に回したくないので、ドル建てになるでしょう。
是を4月中に纏めなきゃロシアは終了ですが、何故プーチンが直接ゆかないのかは、判らないと言うしかない、ムーン・フェイス云々は高度な映像編集ができる現在、決定的な証拠より、攪乱ネタの可能性が高い。
今日のウクライナ[Die heutige Ukraine] Nr. 00006
—–
【WELT Nachrichtensender (die 24 Stunden-Youtube Sendung)】Stand: 05. April 2022
NACH BUTSCHA-MASSAKER: Russland konzentriert Offensive auf Ost- und Südukraine | WELT Nightstream
【注】
japan.: 黒海, dt.: das Schwarze Meer, dän.: Det sorte hav, schwed.: Det svarta havet, finn.: Musta meri, estn.: Must meri, lett.: Melnā jūra, litau.: Juodoji jūra, russ.: Чёрное море, ukrain.: Чорне море, weißruss.: Чорнае мора, poln.: Morze Czarne
恐縮ながら、芸能ネタでもありませんが、加藤さんという方は実在するのでしょうか。着地点の、みいっつ、違うよね、こっちの地が出る。らしいけど違うだろ。