専守防衛は論理破綻、サイバーでは敗北や。かつてエリツィンの恫喝にも気付かへんかった外務官僚。

 前に「専守防衛」について、織田邦男さんが書いてはる記事を紹介させて貰うたことがあります(国民に先に死ねという「専守防衛」は既に破綻。防衛予算は積み上げとちゃう、何が万全なんか、や。)が、今日の産経新聞「正論」では織田さんは、サイバーについても言及してはりました(専守防衛では「サイバー戦」敗北)。

 そもそも織田さんは「専守防衛」は砂上の楼閣、論理破綻している有り得ない話、という立場ですが、今日はサイバーについてはもっとシビアな話を書いてくれてはります。

 サイバー攻撃は物理的破壊でない戦闘領域で使われる有効な武器である。同時に「諜報活動」でもある。米国防総省の担当者は「国際慣習法が内政干渉や武力行使に至らないサイバー攻撃を禁じているとの国際合意はない」としている。サイバー空間には国境もなければ平時、有事もない。時間の概念さえなく、日常静かに熾烈(しれつ)な暗闘が繰り広げられている。

 これが今や、世界の「常態」なんや、ということですね。そして、お察しの通り(笑)日本の対応はもう、「ガラパゴス的」と書いてはります。今や堂々たる親中派とバレまくっている河野太郎くんが防衛大臣やった当時の話です。

 サイバー戦に関わる日本の対応について、2020年4月、河野太郎防衛相(当時)は、サイバー空間でも専守防衛が前提で、関係する国内法、国際法を遵守(じゅんしゅ)する考えを示した。そして他国からのサイバー攻撃に対し、自衛隊が反撃する可能性として米の例を参考に挙げた。国内の電力会社のネットワークや航空管制システムが乗っ取られるなどした結果、①原子力発電所の炉心溶融②航空機の墜落③人口密集地の上流のダム放水等が起こったような場合―だ。

 へえー、なるほどー。太郎ちゃんは、サイバーも「専守防衛」やと言うてたわけですね。今ならもう「ぷっ」と笑われるレベルなんとちゃいますか?(笑)。炉心溶融、航空機の墜落、ダム放水でもない限り、反撃したらあかん?アホか、ですね。織田さんは憲法解釈にも制約があると指摘してはります。

 サイバー攻撃を受ければ平時、有事を問わず、また物理的被害の有無にかかわらず、主権侵害との前提で即座に反撃するのが国際常識である。最も重要な事は相手のネットワークやサーバーに入り込んで発信元を突き止めること(アトリビューション)である。これにより敵と意図を突き止め、反撃手段を講じて再攻撃を抑止する。アクティブ・ディフェンスと呼ばれサイバー戦のイロハである。だが自衛隊は「専守防衛」と「通信の秘密」を保障する憲法に阻まれこの「イロハ」が実施できない。

 憲法21条にある、言論の自由、検閲の禁止、通信の秘密保持などの解釈をさっさと変えておかなあかんというわけです。織田さんはこのところ「専守防衛」崩しで積極的に発言してはり、何とダイレクト出版系列の、経営科学出版の情報商品「水道橋博士の『私的安全保障会議』」で、お笑い芸人の水道橋博士と対談している番組の告知がありました。

 ええー何で水道橋博士やねん、という突っ込みがめっちゃ来たそうです(笑)。ま、商売やから色んなやり方があるんでしょう。元空将の織田さん、頑張ってほしいです。そしたら時々覗いているブログ、「西村眞悟の時事通信」で、西村さんがめっちゃ面白い話を披露してはりました。

 タイトルは「自衛権の行使とは何か、我が国の抑止力とは何か」。西村さんは、16世紀からのイギリス=スぺイン戦争の頃から話を起こして、自衛権、防衛ラインについて書いてはります。

イギリスのキャプテン・ドレイクという海賊が五百年前に言ったように、
同じく海洋国家日本の防衛ラインも、断じて我が国の海岸線ではなく、海の上でもなく、
大陸の敵港湾基地、敵航空基地の背後だ。
ここを撃破し制圧する力を持たねばならない。

 博覧強記の西村さんの話は面白いですね。それにしても日本人の平和ボケは、今の時代ではもうめっちゃヤバいです。

さらに、笑い話のような平和ボケの話をしておく、
我が国の福田赳夫総理と内閣は、
シュミット首相がロンドンで「NATOの二重の決断」を促す講演をしている時、
まったく他人事として関心を示さなかった。
しかし、ソビエトのSS20は、NATOだけではなく
我が国の東京にも照準を当てて実戦配備されていたのだ。
従って、INF条約により米ソの中距離核弾頭ミサイルが全廃されてから、
ロシアのエリティン大統領が東京に来たとき、
彼は、開口一番、
「貴国に対する核ミサイルの照準を外して訪問した」
と言ったが、彼を羽田で出迎えた我が国の面々は、
エリティンが何を言っているのか分からず、応答できなかった。

 ひえーー。当時の日本人(外務官僚?)は、エリツィンが何を言うてるのかよう分からんかった、というわけですね。いやあ、少し前に「世界は暴力で支配されてるんやと認めんと、この先日本人は絶滅するで。」と書きましたが、今も昔も、何も変わってへんやんか。

 日本人、早う目覚めましょう。暴力に「話し合い」は無力なんや。

【文中リンク先URL】
https://naniwakawaraban.jp/2022/05/31/%e5%9b%bd%e6%b0%91%e3%81%ab%e5%85%88%e3%81%ab%e6%ad%bb%e3%81%ad%e3%81%a8%e3%81%84%e3%81%86%e3%80%8c%e5%b0%82%e5%ae%88%e9%98%b2%e8%a1%9b%e3%80%8d%e3%81%af%e6%97%a2%e3%81%ab%e7%a0%b4%e7%b6%bb%e3%80%82/
https://www.sankei.com/article/20220616-J7UFH7HJOZLUBDO7YPG2IWMDWE/?854783
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=hYVESyuQD7c
https://www.n-shingo.com/jiji/?page=1574
https://naniwakawaraban.jp/2022/06/11/%e4%b8%96%e7%95%8c%e3%81%af%e6%9a%b4%e5%8a%9b%e3%81%a7%e6%94%af%e9%85%8d%e3%81%95%e3%82%8c%e3%81%a6%e3%82%8b%e3%82%93%e3%82%84%e3%81%a8%e8%aa%8d%e3%82%81%e3%82%93%e3%81%a8%e3%80%81%e3%81%93%e3%81%ae/


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【ナニワの激オコおばちゃん】

コメント

  1. ナポレオン・ソロ より:

    220617-2
    ソロです。
    >>専守防衛は無意味
    まぁ、自称「昭和の黄門様」なんて欠陥jGGYを例示に挙げたらアカンがなww なんか東大開闢来の秀才で、総理府に勤めていた私の従兄が公設秘書になって、初めての都庁の日に丁度、運輸省の練習船に乗る為に上京していた私を車で送ってくれる方々、福田総理の話を聞かせてくれましたね。

    頭に良さではXX開校以来1番・・の伝説的な秀才の名を恣にした彼が「頭のいい人だ」と褒め称えたので「え?どの辺りでそう思うんですか?」と聞いたら「数字には、物凄く強くて、一度聞いた数字は端から頭に入っているし、分析も出来ている」と言うので、彼が吃驚する様な頭の良い人も世にはいるもんだと、感心したものです。

    その黄門ちゃまにして、思いもかけなかっただろう、ダッカのハイジャック人質事件で「人命は地球より重い」とか意味不明の迷言を口走り、犯人の赤軍メンバーの言い形に、乗客の解放と引き換えに軍資金数億円とこないだ亡くなった石井一さんが身代わりに人質になりに現地へとんで一見落着でした。

    然し彼ら赤軍メンバーは、中東を根城にして潤沢な軍資金を使ってテロ事件を色々起こした為、日本は世界から顰蹙を買ってしまったのだが。マスコミは寸毫も伝えていませんね。まぁよど号事件の時も身代わりの政府職員が勝手出て来たので前例を踏襲したのですね。

    如何に学業はピカ一でも、人間は公平に出来ていて、何某か欠点があるものなのは、時間は公平に流れているからなんやとその時思いましたね。 だから失敗しても自分にガッカリする事は無いが、無為に時間を粗末にすれば「時間に復讐される」のですね、ww 無駄にし過ごして親兄弟を豪い目丹遭わせてしもた経験は、今も悔いになってますね。

    おっと、また脱線したww 話を戻します。

    この福田総理の歴史的迷対応も、結局専守防衛に裏打ちされた、受け身の姿勢の対応の弊害だったと思います、別に軍隊を機内の突入させて、犯人と銃撃戦をする様な前時代的な強硬策を採るべきだったと言うわけではなく、結果論かも擦れないがもっと他に交渉の選択肢はあったのではないか、そこに、国際に対する日本としての国家責任感が見えない。

    具体的に言うなら、乗客と身代わりの代議士と交換で犯人側に抑止力が働いていないのが交渉のイニシアティブを握られた原因で、身代金ばかりか、服役中の中の彼らの複数の仲間仲間の刑の執行停止~釈放~現地搬送迄を、認めたのは顕かに福田総理の大きなミスだし、
    他人任せのキライがみえるのは頂けない。

    思うに人間委は持って生まれた資質があって、幾ら頭脳明晰でもこう言う犯人側と度胸比べのシーンがある場合の人材は、組織のリーダーでなくてはいけないが、専守防衛型の人間では、作戦を立てる時のスタッフ位が限界で、、リーダーはとても務まらない。

    秀吉の軍師だった、竹中半兵衛や黒田官兵衛が秀吉に執って代われなかったのは、彼らが自分の資質を知っていたからであろう、それは戦場を経験しないと分からない類のものだと思いますね、だから自衛隊幕僚の織田さんの専守防衛に関する発言に説得力を感じるのでししょう。

    だから、この先の日本の全ての分野に置ける防衛思想の敷衍には、軍人の具体的な面からの現実的な助言が不可欠だと思うのです、亦リーダーはジェネラリストである必要はありますが、飽く迄スぺシャリストの意見を参考に総合的に戦略的な判断を下せる人でなければならないと思いますね。