
2026年1月18日 6:23 AM
高市総理大臣が衆議院の解散総選挙を決断したこととも関係がありそうですので、長いですが何回かに分けてお届けします。
アメリカの国家安全保障戦略その1)
日本できちんと報道されたかどうか知りませんが、2025年11月にアメリカのトランプ政権は「アメリカの国家安全保障戦略」と題した重要な公式文書を発表しました。それにはトランプ大統領の署名がなされています。
昨年から今年にかけては大きな変化、ひょっとしたら100年〜150年単位での変化の年になるのではないかとお伝えしてきましたが、これもその一部になりそうです。マスコミは表面的なことだけしか見ていないような、しかもそれすらまともに報道しませんが、今何が世界で起こっているのか、トランプ大統領の頭の中にはどのような構想があるのか少しでも理解する為には必須の材料です。
アメリカの安全保障戦略と書かれていますが、実はこれは日本の安全保障戦略にも大きく関わることです。高市総理大臣が衆議院の解散総選挙を決断したこととも関係がありそうです。ヴェネズエラのマデュロ逮捕もこの戦略の一部としてみなければ陳腐なものに見えます。今後はヴェネズエラだけではなくキューバやコロンビアも俎上に登ってきそうに思えます。そのほか中南米の国々で中国や共産主義勢力に浸透されている国々も。
この戦略も事実をお伝えすることに主眼を置き、好き嫌い、善悪、評価などは敢えて記述しないように努めます。かなり長いので数回に分けてお送りします。いくつか書かれている重要な点を順不同で列記すると次のとおりです。
● 世界の覇権をアメリカが握ることはしない。世界一極主義から世界多極主義へ100年ぶりに変換。
● 西半球はアメリカの裏庭。アメリカは主として西半球を守る。(北中南米、グリーンランドも?)モンロー主義の復活
● 同盟国のうち主だった国々が自国だけではなくそれぞれの地域の防衛に責任を持つ。アメリカは紛争への武力介入しない。
● 世界の地域は民族、文化、歴史、気候、地理的条件などが異なり、それをそれぞれの地域で共同して守るのが自然。
● 冷戦終結後のアメリカの戦略は失敗だった。
● 気候変動、ゼロカーボンなどの詐欺的な謳い文句はアメリカも世界も大きく傷つけ、テロリスト勢力の資金源となっていた。
● 欧州のように一部の官僚が各国の主権を奪い権力を振るうシステムには反対。
● 中国(名指しをしたり暗喩したり)が西半球に、あるいは世界に与えている悪影響に強い懸念。
● 少なくとも西半球においては彼らに好き放題させない。
● 南シナ海、台湾海峡は重要な航路でありあの国が自由に航路を封鎖できないように予防する必要がある。
● 日本も韓国も自国の防衛だけでなくこの地域の安全保障、抑止力の向上、集団的自衛権の行使に重要な責任がある。
● (日本は自国の防衛能力と抑止力を高めることはもちろん、この地域の安全保障ができるようになりなさい)
● 大量移民の時代は終わった。大量移民は国内の資源を消耗させ暴力や犯罪が多発し治安を乱し社会の団結を弱め、労働市場を歪め、国家安全保障の土台を崩してきた。
この戦略書は日本にとっても人ごとではないように思われます。憲法9条が平和を守ると本気で信じている人は流石にいなくなったでしょうが、日本はアメリカの核の傘で守られている、いざとなればアメリカが助けに来てくれるという幻想を持っている人はまだいるのでしょうか?
まだまだたくさんありますが次回から内容のご紹介をします。ご自分でご確認下さい。(続く)
2026年1月19日 12:45 AM
マスコミが伝えないことをお伝えします。
アメリカの国家安全保障戦略(承前)(その2)
I. 初めに:アメリカの国家安全保障戦略とは?
1 如何にアメリカの戦略が道を逸れたのか?
アメリカが今後の何十年もの間世界で最も強力で豊かで勢力のある国であり続ける為には世界との関わり方に一貫性のある的を絞った戦略が必要だ。それを正しく実現する為には全てのアメリカ国民がそれは何か、何故なのかを理解する必要がある。
戦略とは結果と手段を結びつける具体的で現実的な計画だ:望ましい結果を生む為には何を望むのかその実現に必要な手段が入手可能かにつき正確に評価することが手始めだ。
戦略はそれらを評価し優先順位を付けねばならない。如何に貴重と雖も全ての国、地域、問題、原因をアメリカの戦略の対象にはできない。外交政策の目的は核となる国益を守ることだ:これこそがこの戦略の肝だ。
冷戦終結後のアメリカの戦略は失敗だったーーあまりにたくさんのものを詳細に求め過ぎた;我々が何を望んでいるのかを明確にせず陳腐な決まり文句を飾り立てるだけだった;往々にして我々が何を望むべきかについても判断を誤った。
冷戦終結後アメリカの外交エリート達はアメリカが世界の覇権を永久に握り続けることがアメリカの国益なのだと勘違いしてきた。そうではなくて外国の行動が我が国の国益を直接脅威に晒す時が我々が関わるべき時なのだ。
アメリカのエリート達は、国民に何の関係もないのに世界の種々の問題を永久にその背中に背負うことをアメリカが望んでいると勘違いしてきた。大規模な福利関連支出と同時に軍事、外交、諜報、対外支援策を十分に賄うことができると過大評価してきた。
彼らはグローバリズム、所謂「自由貿易」に心得違いで破壊的な大きな賭けをしでかした。それらこそが我が国の経済や軍事の優越さの拠り所であった中間層と産業基盤をガタガタにしてしまった。彼らは同盟国や仲間の国が自国の防衛をアメリカの肩に背負わせることを許し、我が国の国益には関係ない紛争に巻き込まされることもあった。そして彼らは反アメリカ主義、個々の国の主権を踏み躙る超国家主義に扇動されアメリカの政策を国際組織のネットワークに非難させることもあった。
つまり、我が国のエリート達は望ましくないできもしない目標を追求しただけでなく、その過程で目的達成に必要不可欠ものの土台を台無しにした:我が国の力強さ、財産、礼儀正しさを生み出していた我が国の特性をだ。
2 トランプ大統領による必要且つ歓迎すべき路線修正
上述の全てが不可避のことだったわけではないことはトランプ第一期政権で証明された。彼の政権でアメリカの方向性は修正され、強いアメリカに導くことに成功した。我が国をその道筋に沿って強靱化することがトランプ第二期政権とこの文書の目的だ。
我が国の現在の問題点は:1)我が国は何を望むのか? 2)それを得る為に我々に取りうる手段は何があるか? 3)如何にして目的と手段を結びつける国家安全保障戦略を形成できるか?(続く)
2026年1月19日 11:11 PM
日本にとっても人ごとでないこと、日本にも影響のあることが書かれています。
アメリカの国家安全保障戦略(承前)(その3)
Ⅱ. アメリカは何を望むべきか?
1 我々は全体として何を望むのか?
1番にして最も重要なことは神に与えられた市民の自然権を守り、市民の幸福と権益を優先する政府の存在する独立した主権国家としてのアメリカ共和国が安全に存続することである。
我々はこの国、その国民、その領土、経済、生活を軍事攻撃や敵対的な外国の影響から防御したい。これらはスパイや諜報機関によるものも、略奪的な貿易によるもの、麻薬や人身売買によるもの、破壊的なプロパガンダによるもの、情報戦によるもの、文化の破壊、その他我が国に対する様々な脅威も含まれる。
我々は我が国の国境、移民システム、我が国へやってくる合法/違法人々の陸海空交通ネットワーク、これらの全てを完全にコントロールしたい。我々は単に移民が整然と行われるだけではなく、主権国家が世界を不安定化する移民政策を中止し、移民の可否を相互に協議する仕組みのある世界としたい。
我々は自然災害に立ち直りが早く、外国からの脅威を挫き耐え抜き、アメリカの国民を傷つけたり経済の混乱を防御ないし緩和できる全国的なインフラが欲しい。敵対勢力や危機によりアメリカを危険に晒すリスクがないようにしたい。
我が国の国益を守り戦争を起こさせず必要とあらば被害を最小限にして勝利する為に、世界で最も力強い殺傷能力の高い進歩的技術を備えた軍隊を募集し訓練し配備したい。全ての構成員が自国を誇りに思い任務に自信のある軍隊が欲しい。
世界で最も強固で信頼性が高く現代的な核抑止力と次世代ミサイル防御網が欲しい。アメリカ国民、海外にあるアメリカの財産、アメリカの同盟国を守るためのゴールデンドームを含め。
我々は世界最強、最も躍動的、最も進取の気概に富む先進的経済が欲しい。アメリカの経済はアメリカ流の生活の基盤だ。長期的広範な繁栄、アメリカンドリーム、一生懸命働けば報われることに繋がる。我が経済は我々の世界の中での位置付け、必要な軍事力の基盤でもある。
我々は世界で最も強固な産業基盤が欲しい。アメリカの国力は平時でも戦時でも需要に対応可能な産業界に掛かっている。これは直接的な防衛産業の生産能力だけでなく間接的防衛産業の生産能力を必要とする。アメリカの産業基盤の強化育成は国家の経済政策の最優先課題だ。
我々は世界で最も強固で生産効率が良く進取の気概に富むエネルギー産業が欲しい。アメリカの経済成長を支えるだけでなくアメリカの輸出の大きな柱となる産業が。
我々は世界で科学的、技術的先進国であり続けたい。そして知的財産を外国による盗取から守りたい。アメリカの進取気鋭の精神は我々の経済、軍事的覇権の鍵である;これは守り続けなければならない。
我々は比類なき「ソフトパワー」を維持したい。これにより我々は世界に良い影響力を与えることができ、それらの国々が更にそれを広め我が国益に繋がる。この遂行にあたり他国の宗教、文化、政府形態の違いに敬意を払うが自国の過去や現在を卑屈に思いはしない。「ソフトパワー」が国益に役立つのは、我々が自国が受け継いできた偉大さや礼儀正しさを信じる時のみである。
最後に、我々はアメリカの精神面文化面での健全さの復活が欲しい。それなしでは長期的な安全保障は不可能である。過去の栄光や英雄を大事にし未来の新黄金時代を見据えるアメリカが欲しい。自分たちの時代よりも次の世代により良い国を残すことができると信じる誇り高く、幸福で楽観的なアメリカの国民が欲しい。自分が働くことが国の繁栄、自分や家族の幸福に繋がることをわかって満足して仕事についている庶民が欲しい。その為には健康な子供を育て家族が成長する伝統的な家族が増えなければ達成は困難。(続く)
2026年1月21日 12:04 AM
アメリカの国家安全保障戦略(承前)(その4)
2 我々は世界で何を望むのか?
これらの望みを達成するには我々の持てる資源を整理してみる必要がある。しかもこの戦略の焦点は外交政策である。アメリカの中核となる外交政策は国益にどう繋がるのか? 世界の中で或いは世界から我々は何を望むのか?
● 我々は西半球が相応に安定しており、アメリカへの大量移民をさせない程度にはうまく運営されている政府を望む;麻薬テロリスト、カルテル、その他の国際犯罪組織の取り締まりに我が国に協力する政府のある西半球を望む;我々は敵対的な外国勢力の侵入、彼らが鍵となる資源を握り重要なサプライチェーンを脅かすような国がない西半球を望む;我々は鍵となる戦略的な場所へのアクセスが継続して可能になることを望む。
言い換えれば、我々はトランプ版のモンロー主義を主張し施行する。
● 外国勢力がアメリカの経済に打撃を与え続けている状況をやめさせ逆進させる一方、インド太平洋地域の自由で開かれた状態を保ちつつ、全ての重要なシーレーンの航行の自由を確保し、サプライチェーンが安全で信頼できる状態を確保し重要資源にアクセスできることを望む。
● 欧州文明の自信と西洋のアイデンティティを取り戻しつつ欧州の自由と安全を確保する同盟国を支援したい。
● 敵対勢力が中東、石油ガス供給、それらの輸送の隘路の覇権を握ることを防止したい。その一方で嘗てのような「永年戦争」になることは避ける。その地域に我々が引き摺り込まれ、大変な代償を払うことになったわけだから;そして、
● アメリカの技術と基準が世界を前進させるよう確実なものにしたい;取り分けAI、バイオテック、量子計算機。
これらはアメリカの中核となる肝要な国益である。他のことに優先して焦点を当てることが必要。
ⅡI . 我々が望むものを得る為に必要な手段の中でアメリカには何があるのか?
世界を主導する財産、資源、強みがあり、アメリカは世界が羨む地位にある。
● 間違いを素早く修正することができる政治システム;
● 単一国として世界最大の経済大国。我々が戦略分野に投資できる富を生み、わが市場に入りたい国に対しての梃子となる
● 世界をリードする金融システム、資本市場があり、ドルは準備資産の地位がある:
● 我が国経済を下支えする世界で最も先進的、革新的、利益的技術セクターがあり我が国の軍事と世界への影響力に貢献;
● 世界で最も力のある何でもできる軍隊;
● 世界の戦略的重要地域に条約による同盟国と友好国の広範なネットワークがある;
● 天然資源に恵まれた羨ましがられる地理。西半球には物理的に支配し境界を超えて侵攻する敵はおらず海で遮られている
● 比類なき「ソフトパワー」と文化的影響力、それと
● アメリカ国民の勇気、意志の力、愛国心がある。
それに加え、トランプ大統領の強固な国内問題対応策によりアメリカは:
● 「DEI」と呼ばれた差別的、反競争的で我が国の組織を弱体化させたやり方を拭い去り能力に応じた処遇を復活させた
● 成長と革新を優先する戦略によりエネルギー資源の開発を活性化させ、中間層の生活改善に資した
● 我が国の経済を再び工業重視に戻し中間層を支持し我が国がサプライチェーンと生産能力をコントロール可能に:
● 歴史的な減税政策と規制緩和策により国民の経済的自由を取り戻しアメリカのビジネス投資先としての魅力を増加、
● 非常時対応の技術と基礎科学に投資し、将来世代に亘る継続した繁栄、競争力、軍事力を確実化
この戦略の目標はこれらの世界をリードする資産を結びつけアメリカの国力と優越性を強化し、嘗て以上にアメリカを偉大にすることである。(続く)
2026年1月22日 2:13 AM
アメリカの国家安全保障戦略(承前)(その5)
IV.戦略
1 原則
トランプ大統領の外交政策はプラグマチストに陥ることなく実践的、現実主義者に陥ることなく現実的である。理想主義に走ることなく節操を持ち、タカ派的に走らず力強い、ハト派ではなく控えめである。伝統的な政治のイデオロギーでは括れない。何がアメリカの国益になるのか、という観点から動機付けられている。簡単に言えばアメリカファーストである。
トランプ大統領は平和の大統領という遺産を強固にした。第一期に成し遂げたアブラハム合意に加え、第二期で過去8ヶ月の間に8件の紛争を和解させた。カンボジアとタイ、コソボとセルビア、コンゴ共和国とルワンダ、パキスタンとインド、イスラエルとイラン、エジプトとエチオピア、アルメニアとアゼルバイジャン、ガザ戦争を終わらせ人質を解放させた。
地域紛争が世界を巻き込む大戦争になる前に終わらせるというのが米軍最高司令官であるトランプ大統領とこの政権の優先事項である。トランプ大統領は非伝統的外交、アメリカの協力な軍事力、経済的な影響力を用いて長年の対立、核保有国同士の諍い、による紛争の残火を消火する。
トランプ大統領はアメリカの外交、防衛、諜報政策は次のような原則で動かされるべきということを証明した。
● 国益の厳密な定義:冷戦終了以降国益がどんどん拡大解釈され真剣に見直されなかった。アメリカの安全保障に焦点を
● 強さによる平和:強さは最良の抑止力だ。国も勢力もアメリカを攻撃しようとしなくなった。それだけでなく、強さが平和を実現するようになった。紛争当事国がアメリカの強さを頼ってくるようになったから紛争解決がしやすくなった。
● 不干渉主義的傾向:建国の父達は独立宣言で他国の問題への不干渉主義を明確にしていた。
● 柔軟な現実主義:他国との交渉において何が可能か望ましいかに関し、アメリカの政策は現実的だ。相手国の歴史や文化を大きく変えることは強制せずに世界の国々と良好な関係、平和な経済関係を持とうとするのが基本だ。
● 民族第一:世界の基本的な政治的単位は民族国家だ。今までも今後も。それが自然であり皆自分達民族と国家のことを第一に考える。世界はそれが一番うまくいく。アメリカはアメリカの国益を第一とすると同時に他国にも自分達の国益を第一に考えるよう奨励する。我々は各主権国家の権利を支持するが、国際機関が各主権国家の主権を侵害することには反対だ。それらの国際機関が主権侵害ではなく各国を支援するように改革することは支持する。
● 国家主権と敬意:アメリカは自らの主権を守るにあたり謝罪はしない。国際機関による主権侵害を防ぐことも、外国勢力や国際機関や団体が我が国民の講演を検閲したり言論の自由を踏み躙ることをさせないことも含まれる。ロビーイングや影響力工作により我が国の政策に影響を与えたり我が国の移民政策を操り我が国で外国勢力のために動くように投票させることも含まれる。
● バランスオブパワー:アメリカの国益を脅かすような覇権国家の存在は許さない。敵対する覇権国家の出現を防止する為同盟国、友好国と連携し世界と地域でのバランスオブパワーを維持する。アメリカは不幸を齎す全世界覇権国家になることには反対であるが故に全世界覇権や地域的覇権勢力の出現を防止しなければならない。このことはその為に血や財宝を無駄にするという訳ではない。そのような野心を友好国と共同して事前に挫く。
● アメリカの労働者寄りの政策:ごく一部の層、一部の地域だけが恩恵を受けるのではなく、広範な地域で成長できる社会にアメリカを作り直す。
● 公平さ:軍事同盟から貿易取引に至るまでアメリカは他国から公平に扱われることを主張する。ただ乗り、貿易不均衡、(補助金や大安売りによる)略奪的なやり方、我が国が歴史的な経緯による好意的な扱いに付け込むことを最早許容できない。
過去何十年もの間アメリカが注ぎ込んできた莫大な軍事費との不均衡を是正する第一歩として、我が同盟国が自国のGDP対比の防衛費を現在よりも遥かに増額することを期待する。
● 能力と功績の重視:アメリカの繁栄と安全保障は能力の発達と促進にかかっている。能力と功績を重視することがアメリカ文明の優れた点だ:最良のアメリカ人が採用され昇進し名誉を受け、刷新と繁栄がついてくる。(DEIが行われた如く)能力主義が破壊されたり組織的に妨害されれば、インフラも国家安全保障も教育も研究も機能しなくなる。功績主義が窒息させられれば、科学、技術、産業、防衛、革新におけるアメリカの優れた点は失われてしまう。能力と功績の重視ではなく特定グループを優遇した急進的なイデオロギーの成功が続いていたらアメリカはアメリカでなくなり自国の防衛も不可能になっていただろう。
それと同時に、「世界の優秀な人材を集める」という美名のもとにアメリカの労働市場を開けてしまい自国の労働者の基盤を脆弱にすることには反対だ。我々の全ての原則と行動はアメリカとアメリカ人ファーストだ。(続く)
2026年1月23日 5:04 AM
アメリカの国家安全保障戦略(承前)(その6)
2 優先事項
● 大量移民の時代は終わった:どこからどれ程の移民を受け入れるかでその国の将来は不可逆的に決められてしまう。各主権国家はその未来を選択する権利と義務がある。歴史的に主権国家は統制の取れない移民を禁止し、必要な条件を満たしたほんの限られた外国人にしか市民権を与えてこなかった。過去10年間西洋が経験したことがその正しさを証明している。
世界中の国々で大量移民は国内の資源を消耗させ暴力や犯罪が多発し治安を乱し社会の団結を弱め、労働市場を歪め、国家安全保障の土台を崩してきた。大量移民は終わらせねばならない。国境の防御は国家安全保障の重要な要素だ。単に違法移民だけではなく、テロリズム、麻薬、スパイ、人身売買業者等から国境を防御せねばならない。
● 核となる権利や自由を守る:アメリカ政府の目的はアメリカ市民が神から与えられた天賦の権利を守ることだ。この観点からアメリカ政府の省庁は恐ろしい程の権力を与えられてきた。これらの権力は決して濫用されてはならない。「民主主義を守る為」等の美名に隠されてもだ。そのような権力が濫用されたときには濫用者は責任を取らねばならない。
取り分け、言論の自由、宗教や良心の自由、政府を選び舵取りをする権利は核をなす権利であり決して侵害してはならない。我々は欧州で行われている、エリートによる反民主主義的な諸権利の制約には反対する。取り分け我々の同盟国での制約だ。
● 負担の分担と負担のシフト:アメリカがアトラスの如く世界をその肩で支える時代は終わった。同盟国や友好国の中でも裕福で洗練された10カ国程には先ずはその地域の第一義的な防衛責任を負うことは勿論、集団的自衛権にも現在より遥かに貢献してもらわねばならない。トランプ大統領はハーグ協約で新たな国際基準を設けた。NATO各国はGDPの5%を防衛費に注ぎ込む。それに続き同盟国にも地域防衛の一時的責任を負わせ、我が国が主催者兼支援者となり負担の分担ネットワークを組織する。これにより敵対的で転覆を企てている勢力に対抗する。自国や周辺国との安全保障を自発的に取り組み責任の拡大を厭わず我が国と協調して輸出コントロールをする国に〜可能性としては商業面、技術の共有、防衛機器の供給面において〜対しては支援する用意がある。
● 平和を通じての再統合:大統領の指示により我が国の核となる国益に直結する国や地域の和平の仲介を行うことは安定を深めアメリカの影響力を高め国や地域を再統合し、我が国の市場を新規開拓する為の効果的方法だ。
● 経済安全保障:最後に、経済安全保障は国家安全保障の基盤となるが故に下記の点を強調してアメリカの経済を推進する
○ 貿易均衡:輸出の貿易障壁、ダンピング等の非競争慣習をやめさせ貿易赤字を減少させる。
○ 重要物資やサプライチェーンへのアクセスを確保:アレクサンダーハミルトンが建国当初に言った如くアメリカの防衛や経済に必要な重要物資を外国に依存してはならない。原材料から部品に至るまで。我々の生命の維持に必要なものも。重要鉱物や物資へのアクセスを拡大する必要がある。アメリカの安全保障や繁栄に必要な重要物資のサプライチェーンや技術につき諜報界が監視。
○ 再工業化:製造業の復活がアメリカの将来を左右する。海外に出て行った製造業を呼び戻し我々の我々の将来を決めるような重要で新規の技術に焦点を当てて投資を勧誘する。アメリカの人々の生活水準を引き上げ敵対国家からの物資の調達に依存することは決して行わない。関税もこれらに戦略的に活用する。
○ 防衛産業基盤の再活性化:強力で有能な防衛産業基盤なしには強力で有能な軍は存在し得ない。安価なドローンやミサイルからの防衛に高価なシステムが必要ということが近年の紛争で露呈したがこれは直ちに考えを改める必要がある。殆どの敵に対応可能な安価な武器から洗練された敵用の最新鋭の武器まで幅広い装備が必要だ。集団的防衛力強化のためにも同盟国や友好国にも防衛産業の再活性化を奨励する。
○ エネルギーの優勢:アメリカのエネルギー(石油、ガス、石炭、核)の再優勢化、国産化は最優先戦略事項だ。安価で豊富なエネルギーにより高待遇の雇用、物価の引き下げ効果、再工業化、AIなどの先端技術でのリードが見込まれる。我々のエネルギー純輸出により同盟国が敵対勢力からの輸入に頼る必要がなくなり我が国に力を齎らす。
欧州に打撃を与え、アメリカの脅威となっており我が敵勢力の資金源となってきた破滅的な「気候変動」「ネットゼロ」等のイデオロギーには反対する。
○ アメリカの金融界の優勢の維持と拡大:アメリカは世界の金融、資本市場に冠たる存在であり、政治家はその影響力を梃子にしてアメリカの国家安全保障上の優先事項を実現してきた。しかしその地位を当然のこととみなすことはできない。今後はディジタルファイナンスや革新的技術を活用してこの優位性を維持拡大する必要がある。(続く)
2026年1月23日 10:05 PM
毎日長々とアメリカの国家安全保障戦略を翻訳したものを投稿させていただいています。うんざりしておられる方もおられるかもしれません。実はこれを読めばヴェネズエラのこともキューバのことも今後の中南米に起こり得ることも、NATO、EU、国連などへのトランプ戦略、対中国戦略、アジアでの日本の役目等についても全て書かれています(明示されていることも暗喩的なことも)。この戦略を一つ一つ優先度を考えながら実行しつつあるということが理解できる筈です。
アメリカの国家安全保障戦略(承前)(その7)
3 地域別の戦略
従来の戦略文書は盲点をなくそうとするあまり網羅的な記述となり焦点がはっきりしなかった。戦略はそうであってはならない。焦点を当てて優先的に、ということは選択することだ。全ての人が全てのことに関心があるわけではないということを認めた上で。どこかの人や地域が重要でないということではないがアメリカが世界のすべての地域、すべての人々、すべての紛争に関わることはできない。国家安全保障戦略の目的は核となる国益を守ることであり地域的な紛争を超越する優先事項もある。
A 西半球:トランプ版モンロー主義
長年に亘り無視されてきたがアメリカはモンロー主義を主張し施行する。西半球におけるアメリカの優位性を取り戻し、我が国土を守り、地域内の重要な地理的拠点へのアクセスを守る為である。西半球外の競合国が西半球に軍事的拠点を置こうとしたりその他の脅威となる可能性を見せたり重要な資源財産を所有しようとしたりコントロールすることは拒否する。このトランプ版モンロー主義は常識的なものでありアメリカの安全保障と軌を一にする。
我々の西半球での目標は、「徴募と拡大」に集約される。西半球で確立された友好国を徴募し、移民のコントロール、麻薬密輸の停止、陸と海での安定と安全を強化する。我が国の西半球での経済と安全保障のパートナーとしての魅力を強めつつ新規の友好国の輪を拡大する。
徴募
アメリカの政策は地域における耐久力のある安定性のある主要国に焦点を当てるべきである。これらの国々は不法移民をやめさせることを手伝ってくれ、カルテルを無力化し、沿岸工業地帯、地元の私企業を発展させてくれるだろう。我が国の原則と戦略にに賛同する政府、政党や運動は報われるだろう。
我々は西半球での軍事拠点を見直す必要があるだろう。考慮すべきは4点。
● 西半球における喫緊の脅威に対応するための世界的な軍事拠点の再配置。この戦略で明らかになった任務への対応と近年アメリカの国家安全保障に相対的な重要性が低下してきた劇場からの撤退
● 不法不要な移民の取締り、人身売買麻薬密輸の削減、緊急事態での航路のコントロールに適した沿岸警備隊、海軍の基地の見直し
● カルテルや重装備の勢力から国境を守る為に特化した防衛能力の観点。法執行機関が失敗した過去の例を教訓
● 戦略的に重要な場所への新規拠点または拡大
アメリカは経済や工業を強くする為に関税や互恵貿易協定など商業的な外交を(武力に)優先させる。目標は西半球の友好国が自国の経済を強化することだが、強く洗練された経済になればアメリカの商売や投資にとり魅力的な市場になろう。
西半球の中での重要物資のサプライチェーンを強化することにより、他への依存度が低下し経済的耐性が強まろう。アメリカと友好国の結び付きはそれぞれを利するばかりでなく西半球以外の競合者が影響力を発揮しにくくなるだろう。我々は商業的外交を優先するが、安全保障面の強化も行う。武器の売買から諜報の共有、共同訓練まで。
拡大
現在アメリカと強力な友好関係のある国との関係を深化する一方我々は地域でのネットワーク拡大も検討する。我々は相手国がわが国を第一の選択肢とみなすことを望み、他国との提携は(様々な手段により)邪魔をする。
西半球には数多くの戦略的資源が豊富にあり、アメリカはそれらの国々と友好関係を結び共同開発をすべきである。そしてアメリカだけでなくその国も裕福になれる。この点については至急国家安全保障会議が関係省庁横断的な調査を行い諜報機関の助けもえて各省庁に指示を出す。資源の保護と当該国との共同開発の観点からだ。
西半球外の競合者が既に大規模に侵入している。現在のところは我が国への経済的優位性戦略的なを狙ったものだが、将来的には我々への戦略的打撃になりかねない。これを座視して追い返さなければ大きな間違いとして禍根を残すことになる。
我々の西半球での優勢はアメリカの安全保障と繁栄の条件である。同盟国となるには、援助を行うには外部勢力の敵対的な影響を払拭することが条件となる。軍備の配置、港湾、鍵となるインフラのコントロールから戦略物資の購入に至るまで。
外国勢力とラテンアメリカの政府との結びつきを考えれば外国勢力の影響を排除するのは困難な国もある。だが多くの国はイデオロギーではなく彼らの値段の安さや規制の少なさに惹かれて敵対勢力と結びついている。
外国勢力は見せかけは安いかもしれないが、スパイ、サイバーセキュリティ、債務の罠その他を含めれば決して安くないということを具体例で説明してその影響力を剥がすことにアメリカは成功した。これらの努力を継続すべきだ。
世界のどこでもそうだが西半球では、品質が高く他の国のようにヒモがついていないからアメリカの物、サービス、技術は長期的に見ればずっとお得だということを明確にする必要がある。そうは言っても我々の仕組みは改善の必要がある。承認やライセンシングの迅速化など。これらは友好国から見て我々が第一の選択肢となる為に必要なことだ。全ての国が直面しなければならない選択は、アメリカの主導する主権国家、自由経済で生きるのか、それとも世界の反対側のあの制度の影響下のパラレルワールドで生きるのかということだ。
地域にいるすべてのアメリカの高官は早急に外国勢力の悪影響の全体像を明確化すると同時に友好国に圧力と報奨材料を持って我々の西半球を守るべきだ。我々の西半球を守ることに成功するにはアメリカ政府と民間企業との密接な協力が必要だ。すべての大使館は当該国の主要な政府案件などビジネスチャンスを把握すべきだ。民間企業が競争に勝ちビジネスを取ることを支援することも彼らの仕事の一部と認識すべきだ。
アメリカ政府は戦略的な投資案件を特定しその地域の企業に紹介すると同時にこれらの案件の評価をアメリカ政府の金融関連機関プログラムに提供する。国務省、戦争省、エネルギー省;中小企業庁、国際開発金融公社;輸出入銀行、ミレニアムチャレンジ公社などだ。
地域の政府や企業と組んで大規模で耐久力のあるエネルギーインフラの構築、重要鉱物へのアクセスへの投資、現存および将来のサイバー通信網の強化に取り組むべきだ。アメリカの暗号化技術と安全保障の有利さを活かすことにつながる。
アメリカはアメリカ企業を狙い撃ちにした税制、不平等な規制や財産没収等アメリカ企業に不利になる取り扱いに反対する。地域内で外国企業がインフラを建設することはどんなことをしてでも排除する。(続く)
2026年1月25日 5:52 AM
アジアについては、1979年に中国に門戸を開いてからのアメリカの外交は失敗だった、その結果中国をモンスターにしてしまったという趣旨が書かれており、中国の悪しき影響をどう封じ込めるかということに主眼が置かれています。アメリカの工業を殆ど中国に持って行かせたのも失敗だった、アメリカを弱体化させたという趣旨も述べられています。それと同時に「自由で開かれたインド太平洋」という安倍さんが掲げた中国封じ込め政策の踏襲と、東アジアにおける日本が自国の国防だけでなく地域の安全保障の第一義的責任を負えるようになることが謳われています。
それこそ人ごとでないどころか日本が本気で自立しなければ日本の存立が危機的になりかねません。
高市政権だけではなく、日本国民が日本を守るためには何が必要か自覚することが必要になったようです。
アメリカの国家安全保障戦略(承前)(その8)
B アジア:経済の将来性を勝ち取り、軍事衝突を防ぐ
強力な地位からのリード
トランプ大統領は30年以上に亘るアメリカの中国への間違った推論をひっくり返した:つまり、我が国の市場を中国に開放し、我が国の企業に中国への投資を奨励し、我が国の製造業を中国に外注すれば中国を所謂「法に基づく国際秩序」の世界に招き入れることができるという幻想だった。しかしこれは実現しなかった。中国は豊かになりパワフルになった。そしてその富とパワーをとてつもなく有利に行使した。過去4代以上ののアメリカ政権は民主党にせよ共和党にせよ中国の戦略を実現する政権か否かだった。
インド太平洋地域は購買力平価で見た世界のGDPの約半分、名目GDPの1/3を占めるようになっている。この割合は21世紀中にもっと増加するだろう。つまり21世紀はインド太平洋地域は既に、かつ今後も経済的、地政学的戦場だということだ。我々の成長の為にはこの地域での競争に打ち勝つ必要がある。トランプ大統領は2025年10月のアジア訪問時に、我が国の地域での商業、文化、技術、軍事に関する結びつけを強める合意書に署名してきた。そして自由で開かれたインド太平洋地域への我が国の関与を再確認してきた。
アメリカは膨大な財産を保有しているーー世界最強の経済と軍隊、世界を打ち負かす革新力、比類のない「ソフトパワー」、同盟国や友好国の利益になってきた歴史等だ。これらにより我々は競争に打ち勝つことができる。トランプ大統領はインド太平洋地域で同盟国を築き友好国との結びつきを強化しつつある。これは将来に渡り安全保障と繁栄の礎となるだろう。
経済:究極の利害関係
中国経済が1979年に世界に再び開かれて以来、我が国との商業的な関係は常に根本的に不均衡であり続けた。成熟して裕福な国と世界の最貧国の一つとの関係として始まった両国の関係はごく最近まで、まるで仲間もどきの関係にまで変化していた。そしてアメリカの態度は昔の間違いを引き摺ったままだった。
中国は2017年に始まったアメリカの関税政策受け入れにシフトした。世界の中低所得国(一人当たりGDP$13,800 以下)〜今後10年間の最大の経済戦場の一つ〜のサプライチェーンの確保と強化が理由の一つだろう。中国の低所得国への輸出は2020年から2024年の間に倍増した。アメリカは中国製品を中国からの直接だけではなく仲介国や中国が工場を建設した国(メキシコ)等から間接的に輸入している。中国の低所得国への輸出額はアメリカへの輸出の4倍近くに達している。2017年のトランプ第一期政権開始時点では中国のアメリカへの輸出額はGDPの4%だったが現在では2%強にまで低下した。しかし中国は第三国経由でアメリカへの輸出を継続している。
今後は我々は中国との経済関係を見直していく。アメリカの中国依存を減らし自立する為に互恵と公平さを優先して取り組む。中国との取引は均衡し機密に関係ないものを優先していく。もしアメリカが成長し続けることができ、中共との純正な互恵関係が維持できたとすれば我々は2025年の経済規模30兆ドルから2030年代には40兆ドルになり世界も羨む最大規模の経済国となる。我々の目標は長期的な活力の基盤を作り上げることだ。
重要なことだが、これを達成するにはインド太平洋地域で戦争を起こさせないような強固な戦争抑止力に焦点が当てられねばならない。これらのことを実現するためにはいくつかのことが必須となる。
第一に、アメリカはアメリカ国民とアメリカ経済がどんな国からも傷付けられないよう防御せねばならない。下記のようなことはやめさせねばならないと言うことだ。
● 政府による略奪的な補助金や工業戦略
● 不公平な貿易手法
● 雇用破壊と非工業主義
● 大規模な知的財産権の窃盗行為と工業スパイ行為
● アメリカの重要資源へのアクセスのリスクとなるサプライチェーンへの脅威
● アメリカのオピオイド流行に火をつけたフェンタニール原材料の輸出
● プロパガンダ、影響力工作やその他の文化破壊行為
第二に、アメリカは条約同盟国や友好国群〜経済規模で約35兆ドル、アメリカと合わせれば世界の約半分の経済規模〜と協調し我々の合わせた経済パワーを活用して略奪的な経済慣行に対抗し、かつアメリカの経済力の優位性が維持され同盟国の経済が対立国に従属しないことを確保する。インドとの商業その他の関係改善努力を引き続き行うとともに、インドがクアッド(日印豪米)を通じての協力を含めインド太平洋地域での安全保障に貢献することを奨励し続ける。更にはどんな国であれ我々に敵対する国の覇権には同盟国友好国が共同の利益の為に団結してその防止に努める。
アメリカの優位性が最も強い分野に焦点を当てて、我々の先端軍事技術、軍民両用技術への研究投資をせねばならない。その中には海底、宇宙、核等軍事力の将来を左右するものも含まれる。例えばAI、量子計算機、自動制御システム、これらに必要な電力などだ。
更には、アメリカ政府と民間企業との重要な関係により重要なインフラを含めアメリカのネットワークへの絶え間ない脅威の監視体制を維持する。これによりアメリカ政府はリアルタイムで脅威を発見し敵を確認し対応をすることが可能になる(ネットワークの防衛、攻撃のサイバー作戦)。これらの能力を伸ばすには、競争力を高め刷新的な研究を支援し、アメリカの天然資源へのアクセスの為にもかなりの規制緩和が必要になる。これらを実行するにあたり我々はアメリカと同盟国に有利なように地域での軍事バランスを復活させねばならない。
我々の経済的優位性を維持し同盟国のシステムを経済グループとして統合することに加え、次の10年に世界の成長の大部分が起こりうる地域の国々に焦点を当ててアメリカは強固な外交と民間主導での経済的な関与を深めねばならない。
アメリカファーストの外交は世界の貿易関係を見直すことを求めている。現在の貿易赤字は擁護できないと各同盟国には明確に伝えてある。我々は欧州、日本、韓国、豪州、カナダ、メキシコその他主要国に対し中国の消費者向け物品の貿易見直しを助ける貿易政策を採るよう奨励せねばならない。何故ならば東南アジア、ラテンアメリカ、中東だけでは中国の膨大な過剰能力(による輸出)を吸収できないからだ。欧州とアジアの輸出国は彼らの輸出先として中所得国を限定的ではあるものの成長の余地のある輸出先として検討することができよう。
中国の国営企業や国が支援している企業は物理的インフラ、デジタルインフラの造成に優れており、中国は貿易相手国に対し1兆3000億ドルを貸付金としてリサイクルさせてきたと推定される。アメリカと同盟国は所謂「グローバルサウス」に対する共同した取り組み計画はないが、合わせればとてつもない資源を所有している。欧州、日本、韓国、その他で合計7兆ドルの外貨資産を所有している。国際金融機関は合計して1兆5000億ドルの資産を所有している。国際金融機関のいくつかは効率性に問題があるが、この政権は彼らがアメリカの国益の為に改革を実行することに注力する。
2025年5月にトランプ大統領は湾岸諸国を歴訪しアメリカの技術のパワーと魅力を披露した。そこでアメリカとのパートナーシップが可能であればアメリカのAIを支持するとの約束を取り付けた。アメリカは欧州やインドを含むアジアの同盟国や友好国に対し同様の働きかけを行い徴募すべきである。そして西半球における共同の地位を強化しアフリカの重要鉱物についても同様に地位を強化すべきだ。我々は金融や技術分野における相対的優位性を利用して輸出市場を形成する国家連合を協力国とで形成すべきである。アメリカの経済関係を持つ国々は最早自国の生産過剰をアメリカに持ってきたり、構造的な不均衡により儲けようとすべきでない。そうではなく戦略的な整合性のある協力関係の管理やアメリカの長期投資を受け入れることによる成長を追求すべきである。
世界で最も懐が深く効率的な資本市場を持つアメリカは低所得国が資本市場を発展させ、自国通貨をドルにより近くリンクさせることを手伝うことができる。それによりドルの準備資産としての地位も強固にすることができる。
我々の最大の優位性は政府システムと躍動的自由市場経済である。しかし我々の優位性は当然の如く継続すると見做すことはできない。それ故国家安全保障戦略が不可欠である。(続く)
2026年1月28日 4:43 AM
アメリカの国家安全保障戦略を長らくお届けしてきましたが、もう少しお付き合い下さい。日本の安全保障戦略に大きく影響を与えそうだからです。今回高市総理大臣が急遽衆議院解散、総選挙に打って出たことと関係があるのではないかとお伝えしましたが、アメリカの国家安全保障戦略をじっくり読めば、何故高市さんが解散総選挙に打って出なければならなかったかがわかる気がしてきました
1月2日夜電話での日米首脳会談、1月3日にトランプ大統領がヴェネズエラのマデュロ氏を米軍のサポートにより逮捕する事件が起きました。具体的にはどのような話が日米首脳会談でなされたのかは分かりません。ですが、このアメリカの国家安全保障戦略、ヴェネズエラで起こったこと、日米首脳会談の際どいタイミング、を全て繋ぎ合わせれば自ずから想定できることがあります。
それは、アメリカは西半球の安全保障は直接責任を負うが、それ以外は直接の責任は取れない。自分の国は自分で守る、それが基本だ。それに加え、それぞれの地域で主要国が自国だけではなく地域の安全保障の主たる責任を取れるように準備しなさい。自分が大統領である間は移行期間として何らかの関与はするかもしれないが、日本がそれができないと後はどうなるかわからないぞ、といったことではなかったかと思います。
仮にそういうことであれば、石破政権で作った防衛予算では、野党の安住淳に予算委員長を渡した状態ではとても日本の防衛を自力で行う方向に持っていくことは不可能。ここは解散してそれが可能な政治状況にする必要がある、と決断したのではないでしょうか?
いざという時にアメリカが助けに来てくれると思い込んだ人が多いようであれば、アメリカに日本、台湾を第一義的な責任者として守る気がないことを中国が感じ取れば、ここで高市政権でなくなれば、媚中勢力の結集を許して仕舞えば、すでに日本に入り込んでいる中国の工作員、工作されてしまった政治家や官僚、日本に80万人以上入り込んでいる中国人が中国の国防動員法により中共の命令一つで日本国内のテロリスト、便衣兵になるという現実を踏まえれば、中国は日本に攻め込まなくても日本の内部から日本を征服することができるという、日本は大変な危機にあるといえるかもしれません。
今は中国も、その意向を受けた旧公明党/立憲民主党も、自民党の中の媚中勢力も、全てのマスコミをあげて高市潰しに必死になっていると見た方がよさそうです。日本を守るのか媚中勢力をのさばらせるのかの戦いです。その大きな筋以外の違いで諍いを起こすことは彼らの思う壺にハマることになりかねません。彼らの得意技です。
その意味で今回の総選挙は日本の将来を決める選挙となるかもしれません。投票率が低いと媚中勢力が勝ってしまいかねません。
アメリカの国家安全保障戦略(承前)(その9)
軍事的脅威を挫く
長期的観点から見ればアメリカの経済と技術の優位性を維持することが大規模な軍事紛争を予防し挫く確実な方法だ。
従来通りの軍事バランス論が戦略的競合の主要な部分を占めている。台湾に大きな焦点が当てられている。台湾の半導体生産が世界有数であることもその理由の一部だが、台湾は第二列島線に直接アクセスできる位置にあること、北東アジアと東南アジアの境界になっていることが大きい。世界の海路の約1/3が南シナ海を航行していることを勘案すればこのことはアメリカ経済にとっても多くのことを示唆している。従って台湾をめぐる紛争が起こらないように、理想的には軍事的優勢を保つことにより、抑止することは優先事項である。我々は長年宣言してきた政策を踏襲する。即ちアメリカは台湾海峡の一方的な現状変更は支持しないと言うことだ。
我々は第一列島線内のどこであれ侵略を撃退可能な軍隊を作る。しかしアメリカ軍単独ではそれは不可能だしすべきでもない。我々の同盟国が足を前に出して、金銭面だけではなく実行が大事だが、集団的自衛権の行使を担うべきである。アメリカの外交的努力は第一列島線の同盟国や友好国に対し、米軍がもっと港湾や他の施設へのアクセスがしやすいこと、もっと自国の防衛に金を注ぎ込むこと、最も重要なことは敵の攻撃の抑止力となる能力向上にもっと投資すること等に圧力をかけることに焦点を当てるべきである。このことは第一列島線での海上安全保障につながり、台湾を奪取したり軍事バランスが極端に悪化し最早台湾防衛が不可能となるような企みをアメリカと同盟国が連携して防ぐこととも繋がっている。
これに関連する安全保障上の課題は、南シナ海のコントロールをしたいと考える競合者が出てくる可能性である。そうなれば、世界有数の海上交通路において敵勢力が通行税を徴収することを許すことになるか、悪くすれば敵勢力が好き勝手に航路を封鎖することを許すことになりかねない。そのいずれのケースでもアメリカ経済と広範なアメリカの国益に悪影響を与える。一国の意向で通行料が取られたり、航路が封鎖されたり、自由な航行ができなくなることがないように、自由な航行を確保する為に抑止力の強化だけではなく強力な手段を作らねばならない。この為には我が軍(特に海軍)の能力増大投資だけではなく、インドから日本およびその先までこの悪影響を受ける全ての国と協力する必要がある。
日本と韓国の負担割合を増加せよというトランプ大統領の主張に鑑み、この二国が軍事費を増大させること、第一列島線を守り敵の攻撃を挫く抑止力の能力向上に焦点を当てて、新規能力を含む能力の拡充を主張する。我々は西太平洋での軍事力の存在を強化する。一方台湾と豪州には軍事費の追加という従来通りの主張を継続する。
紛争を予防するにはインド太平洋地域での油断のない姿勢、刷新された軍事産業の基盤、我々や同盟国、友好国からの軍事投資の増額、長期的な経済的技術的競争に勝ち抜くことが必要だ。
